手作り燻製ベーコンの作り方を紹介します。
自分で作るベーコンは、市販品とは違う格別な味わいで、ガリガリベーコンも作れます。
「西洋の鰹節」とも言われるベーコンは、料理に使えばよい出汁となります。
是非、手作りの「本物のベーコン」を味わってみてください。
ベーコンつくりの流れ
ベーコン作りの工程
- 塩漬け・熟成 2週間
- 塩抜き 1晩
- 乾燥・熟成 2日
- 燻製 2時間
- 保存・熟成
この中で一番重要なのは塩漬けの工程です。
肉の味付けをし 、熟成させ肉のうま味を引き出します。
燻製行程では香りと色付けをし、
燻製後に冷蔵庫で寝かせることによって味が馴染んでマイルドになり旨味が増していきます。
材料
- 豚肉バラ肉ブロック 約500グラム×2本
- 水 1500cc程度
- 塩 200グラム程度
- 砂糖 75グラム程度(なくてもよい)
- 胡椒などのスパイス 適宜
- 硝酸カリウム1グラム、亜硝酸ナトリウム0.5グラム(なくてもよい)
塩漬け
塩漬けは熟成させて、肉のうま味を増幅させます
塩漬けの工程はベーコン作りの工程の中でも特に重要な工程です。塩分によりたんぱく質が分解されて、生肉には無い味わいと食感が生まれます。いわゆる熟成された状態です。さらに亜硝酸塩を加えることによって風味は増しさらに深い味わいを醸し出します。
塩漬け液の作り方
塩漬けは、まずピックル液(ソミュール液ともいう)と呼ばれる漬け込み液を作って、肉を漬け込みます。
鍋に分量の水、塩、砂糖、それから硝酸塩、胡椒などを加え、火に掛け沸騰させます。
沸騰したら火を止め、蓋をして冷まします。
常温になるまで一晩放置します。
肉を漬け込む
漬け込みを開始する前に、手をよく洗うのはもちろんのこと、使う容器もよく洗い、アルコールで消毒しておきます。
漬け込みに使う容器は、タッパーの様な密閉容器を使います。
ジップロックのような袋で漬け込む方法もあるのですが、容器の方が扱いやすいです。
ピックル液は材料肉の重量と同じくらいの量を用意します。
漬け込み液が少ないと、漬け込み後半にとろみが出てきてよろしくない感じです。
容器は多少余裕のある大きさのものを使います。
容器に材料肉とピックル液を入れたら、上から一枚ラップを水面に浮かせ落としぶたにします。
そして冷蔵庫に入れて約2週間漬け込みます。
途中1~2日置きに容器を軽く揺すってピックル液を攪拌し、内部の塩分濃度を均一にします。
雑菌の混入を防ぐために、容器は開けないようにします。
塩抜き
食べられる塩分濃度へ
約2週間の漬け込みで、濃いピックル液が中まで浸透しています。
このままだとしょっぱくて食べられないので塩抜きをします。
なるべく大きな鍋に水を張って、塩漬けの終わった肉を入れて冷蔵庫で一晩放置です。
冷蔵庫に入れるのは傷まないようにするためです。
塩抜きの時間は、肉の大きさや水の量などによるので、経験と勘としか言いようがないのですが、だいたい8時間を目安にしています。
8時間経ったところで味見をするといいでしょう。肉を真ん中で切って、うすくスライス。
フライパンで焼くか、ラップをしてレンジで加熱。食べてみて、「やべ、塩抜き過ぎた、かなり薄味だ」くらいでOKです。ここで味が薄くないと、後で乾燥して塩分が凝縮されるのでかなりしょっぱくなってしまいます。 しょっぱいようならもう暫く塩抜きを続行します。
脱水・乾燥
脱水シート「ピチット」登場
塩抜き工程で、水分を吸った肉から余分な水分を吸いだし、引き締めてうま味を凝縮させます。
塩抜きが終わった肉をキッチンペーパーで水気を拭き取って、ピチットでくるみます。
輪ゴム数本であちこちとめて、ピチットが張り付くようにします。
冷蔵庫で2、3日寝かします。
ピチットは水分を吸い取る脱水シートです。ピチットで脱水すると、カチカチにならずに、しっとりしたまま脱水されます。
燻製工程
色と香りでおいしさアップ
塩漬けの熟成によって生じたキュアフレーバーと、スモークの香りが相まって、とてもおいしそうな香りになります。飴色にいぶされた豚肉は、さらにおいしそう感を増大させます。
燻製の道具
燻製に使う燻製箱は段ボールで自作も可能ですし、金属でできたしっかりした燻製箱を購入する事も可能です。
私は市販の段ボールでできた燻製箱を使っています。
この箱で結構な回数の燻製をこなしてきました。
この燻製箱のセットには付いていたスモークウッドを燃やす金属製の皿です。さらにはアルミ箔をかぶせておくと、あとで掃除が楽ちんです。
材料をセットします。
この燻製箱は、網もセットできるようになっているので、一緒にチーズとカシューナッツやチーズも燻製したりしています。
燻製材 スモークウッドについて
煙を出す燻製材はスモークウッドを使ってます。
スモークウッドは、おがくずの木の粉を固めたもので、火をつければ線香のようにじわじわ燃え煙をだします。
写真の進誠産業のスモークウッドの場合、1回2時間のスモークで半分くらい使います。
「スモークウッドミニ」が2時間半くらいの燃焼で1本使い切るので、ちょうどよい具合です。
スモークウッドの種類は、桜とかリンゴとかクルミ色々ありますが、味には関係しないので、どれを使っても同じです。
煙、においの配慮
燻製中はモクモクと煙が上がります。
近くに洗濯物が干してあったりすると結構においがつきますので、気をつけてください。
また、夜は煙のきな臭さだけが漂います。
燻製だとは判らずに消防に通報されることがあるので注意が必要です。
燻製開始から終了
肉を吊し、スモークウッドに火をつけ、燻製を開始すると、しばらくして肉の表面に水分が浮いてきます。
水分があると燻煙が付きづらいらしいので、木になるのであれば、途中2、3回ペーパータオルで拭き取ります。
そんな作業をしながら大体2、3時間、本でも読みながらのんびり煙にかけ、いい色に色付いたら燻製工程は終了です。
燻製終了後、2、3時間放置して、煙の中の揮発成分を飛ばします。
冬場であればそのまま、夏場なら冷蔵庫に入れたほうがいいでしょう。
そうすることで尖ったニオイが消え、美味しそうな風味に変わります。
保存・熟成
揮発成分を飛ばしたら、ピチットで包み冷蔵庫で保存します。
2、3日すると燻製成分が馴染んで食べごろになります。
保存は2週間は日持ちします。
保存中も熟成が進むので、日毎に味が変化する様子もお楽しみください。
食べきれない分は冷凍しておくとよいでしょう。